【総まとめ】ビルメンは楽なのか、きついのか

仕事内容

「この仕事ならやっていけそうかな」

そう思ったのが、私がビルメン会社へ就職したきっかけでした。
それから11年、現場業務はもちろん、営業やら新規立上げやら、「何でも屋」みたいな業務もやりました。

そんな経験も生かして、このページでは、
ビルメンの「楽」なところと「きつい」ところを総まとめしております。

現場で経験した実体験と、業務で様々な現場を見てきた視点から解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

ビルメンの楽なところ

楽

ノルマ基本なし

ビルメンは、商品を売ったり制作物を納品するような仕事ではありません。点検などの決められた業務を行うことが多い仕事です。そういった意味で、ノルマは基本的にありません。

ただし、点検は決められたスケジュール計画通りに行わなければならなかったり、毎月の報告書の提出期限が決めれている場合もあります。したがって、完全にノルマ的なものが無いわけではありません。

ですが、ノルマが少ない仕事であることは間違いないので、そこはビルメンの楽なところです。

残業が少ない

上記でも説明しましたが、ビルメンは決められたことを行う業務が多いです。それも決まった時間の中で終わるように設定されますので、仕事が終わらなくて残業しなければならないことは少ないです。

また、シフト制で、時間になったら勤務が終了します。
ビルの管理人のようなイメージです。朝から夕方まで管理室で勤務して、時間になれば帰れます。

大きなビルでは、24時間365日を交代で勤務しますので、自分の勤務時間が終われば、次の人に引き継いで帰れます。

設備トラブルが発生した場合など、残業しなければならない時もありますが、基本は定時で帰れますので、ビルメンは残業の少ない仕事です。

待機時間が多い

待機時間と言うより、「何もしなくても大丈夫な時間」と言ったほうがいいかもしれません。点検が順調に終わって、トラブルなどが何もおこらなければ、自由な時間となります。

実際に、私が営業担当として現場に行ったときに、平気で2時間くらい話をしても大丈夫だったりしたことが良くありました。特に事前にアポを取らずに突然行ってもこんな感じですので、待機時間が多いということになると思います。

ただし、これは配属される現場によってかなり違いがあります。
「忙しいビル」と「暇なビル」です。

入社後に私が配属された現場は、築30年以上たった超高層ビルで、そこそこ忙しかったです。私としては、あまりに暇なのも逆に苦痛なので、ちょうどいい忙しさだと思いました。

忙しい現場でもこの程度なので、暇な現場はほんとに楽だと思います。

ビルメンのきついところ

つらい

トラブル対応のプレッシャー

トラブルで設備が運転できないときはプレッシャーがかかります。
1人で対応しなければならないときは特にです。

これは、いろいろ経験をしながら慣れていくしかないと思います。
ビルメンのきついところです。

夜勤はつらいよ

ビルメンの勤務体系では、
「朝9時に出勤して、翌日の朝9時に帰る」というものがあります。

ビルメンを知らない人にその話をすると、それって法的にダメなんじゃないの?と言われたりもします。
(今のところ大丈夫みたいですが、今後は見直される可能性もあると思います。)

ぱっと見、24時間労働ですのでヤバいですよね。

まあ、この間に4~7時間くらいの仮眠時間があったりして、実際の労働時間は16時間+アルファですが、それでも長時間の労働です。

実際に夜勤を経験しましたが、当時20代でしたけど、結構しんどかったです。
朝9時に終わって家に帰ってからは、また夕方まで寝て、夜もふつうに寝れてましたので、体力的にかなり疲れていたのだと思います。

一緒に50代の人も宿直をしていましたが、ほんとに良くやっているなと思ったものです。

ちなみのこの勤務体系は実質2日働いたことになり、朝9時に帰った翌日は基本的に休みになります。考え方によっては2連休です(考えがおかしいですが)。

ですので、慣れてくると意外とやみつきになったりもします。(笑)

現場の人間関係

3、4人くらいの少人数の現場に配属されたとき、1人でも嫌な人がいたら憂鬱です。人数が少ないので、関わらない訳にはいかないですからね。
そういうリスクはあると思います。

また、ビルメンは誰でもできると言われてきた経緯があるからなのか、他の業種よりも少し変わった人が多いようです。

私が経験したのは20人の現場でしたが、付き合いにくい人は何人かいました。自分の機嫌が悪いときには話かけても答えてくれない人や、職人気質でクセのある人など。

ですが、いい人もいっぱいいたので、運が良かったと思ってます。

こういったことで、現場の人間関係については、ビルメンの「きつい」部分になると思います。

資格の勉強

勉強するのが苦手な人・嫌いな人にはきついですよね。

歳をとるほど覚えが悪くなっていきますし。(私も実感し始めています)
また、家庭を持ったり子供がいたりすると、休みの日をまるまる資格の勉強にあてることが難しくなります。

ビルメンは、たくさんの資格取得を求められる仕事です。

1か月勉強すれば取れるような簡単なものもから、1年かけて勉強しても取得が難しいものまで、幅広くあります。なお、資格の種類については、下記のページで詳しく解説しています。
»「ビルメンが取るべき資格」をできるだけ分かりやすく解説してみた

資格の勉強は、ビルメンの「きつい」ところと言えます。

休館日作業、特に夏

ビルメンの仕事の中で、休館日作業というものがあります。
年に1・2回、ビル内の電気をすべてストップさせて、電気設備の点検を行う作業です。

すべての電気が使えないので、照明も点かずに真っ暗で、空調も使えないので夏は汗だくで作業します。エレベーターも使用できないため、階段で上り下りします。

私は54階建てのビルを経験しましたが、この休館日作業はきつかったです。
実際に54階まで階段で登ったり、シャツをしぼると汗が出てくるくらい汗だくで作業したりしました。

小さなビルはここまで大変ではないですが、休館日作業というのは、ビルメンの仕事の中でも一番きつい作業だと思います。

汚れ仕事

汚れ仕事もあります。
一番代表的なのは、ずばり「トイレ詰まり」ですよね。皆さんよくネタにしますが、ビルメンとして働くかぎり必ず遭遇します。

あとは、天井内に潜り込んで埃まみれで点検したり、空調機のメンテナンスでグリスまみれになることもありました。

災害やトラブル対応

地震、台風、雪など、災害時はビルの安全を守るために対応しなければなりません。また、設備トラブル時も同様です。

休みの日にこういったことが起こった場合には、呼び出されることもあります。

普段は暇でも、こういったトラブル対応は必ず発生します。この対応が適切にできるかどうかで、ビルメンの質が分かると言ってもよいかもしれません。

つらいと言っても・・・

ほんとのところ、他の業種と比べたら大したことないと思います。

例えば、

  • 介護士→汚れ仕事はありますし、待機時間どころか休憩時間もろくに取れないくらい忙しい。
  • 工事現場→真夏で汗だくなんて当たり前で、体力的には比較にならないくらいつらい。

また資格についても、持っているだけで優遇されるなんて、考えによっては楽なことだと思います。最近は、弁護士の資格でさえ余っていて、持っていても仕事がないという人も多いようですので。

ビルメンも資格を持ってさえすればよい訳ではありませんが、持っているだけで給料が上がったりしますので、楽な方なのかもしれません。

知っておいてほしいビルメンのこと

教える

ビルメンはサービス業

ビルメンは、人と接しなくて良い仕事ではないです。

一人で作業することもありますが、チームで行う作業もあります。また、テナントやオーナーとのやり取りが発生します。

ビルメンは、「ビルの管理」を提供するサービス業です。

ビルメン業務のIT化

ビルメン業界でも、これからIT化がどんどん進んでいきます。

紙の点検表はなくなり、スマホやタブレットに入力するようになります。
また、設備もいろんなセンサーによって監視し、人が点検しなくても異常を見つけられるようになります。実際にそういったソフトフェアのサービスは始まっていて、

例えば、空調機の中にカメラを設置して、汚れ具合を監視するサービスを、空調機メーカーは展開しています。

ですので、そういったIT化にも柔軟に対応する力が、これからは必要になります。

まとめ

ビルメンの「楽」と「つらい」の解説でした。

冒頭でもお話しましたが、私自身も、この仕事ならやっていけそうかなと思ったのが、ビルメン会社へ就職したきっかけです。
そんな私が11年働いていますので、このページを読んでいるあなたも、きっとやっていけると思います。

このブログでは、他にもビルメンに関することを、できるだけ分かりやすく説明していますので、ぜひ参考にしていただければと思います。